ゆるしの力

　昨年、アメリカのアーミッシュの共同体で、拳銃による子どもへの発砲殺人事件があった。ニュースによると、その被害者のためにささげられたものを管理するThe Nickel Mines Accountability Committeeが、ささげられたものの一部を発砲した人の妻とその子どもにわたしたらしい。

PHILADELPHIA - An Amish community that lost five girls in a Pennsylvania schoolhouse shooting massacre last year has donated money to the widow of the gunman, the community said Wednesday.
　　
The Nickel Mines Accountability Committee, which was set up to handle more than $4.3 million in donations from around the world after the shootings, said it had given an unspecified "contribution" to Marie Roberts, a mother of three.
　
Her husband, Charles Carl Roberts, a local milk truck driver who was not Amish, tied up and shot 10 Amish schoolgirls aged 6 to 14 in their classroom last Oct. 2, killing five of them before turning the gun on himself.

　徹底的に、ゆるし続ける。ゆるしの力のもつ回復と復興の力。
　それを思う。日本を見ると、光市における殺人事件にしても、福岡における交通事故による子どもの死の事件にしても、「加害者に対して、被害者が物を言う、そして厳罰を求める」という傾向が続いている。被害者の感情から考えると、山口や福岡の出来事は、いたって普通のことであろう。彼らを非難するつもりは全くないし、痛みを覚えて同情するし、正義がなされる必要を感じる。
　しかし、アーミッシュの村で起こっている出来事を見る時、普通の行動を越える「超常識」的な彼らの行動に心を深く揺さぶられる。そして、あのアーミッシュの村の真ん中に、神は生きて働いておられるのではないか、と思う。自分ならどうするのだろうか。