最高の人生の見つけ方(The Bucket List)

最高の人生の見つけ方 [DVD]

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 伝道者の書の説教にぴったりの例話となるか、と思い、借りてくる。
 死期間近の二人の男が旅にでる。ひとりは金持ちだが、ひとりぼっちで、一人娘に会いたいが、あえない。もうひとりは、貧しいが家族はたくさんいる。ただ、自分の人生を犠牲にし、子どもたちを育ててきた。一番下の娘が大学に行き、空っぽになった家で妻との関係がなんとなくぎこちなくなってしまった。この二人が、bucket list、つまり死ぬまでにしたいと願うことのリストに書かれているものを一つずつかなえていくという話。
 スカイダイビング、自動車レース、イタリア、エジプト、インド、ヒマラヤ、中国、香港、と行くが、これらのお金のかかる出来事は、結局は、お金のかからない、アメリカの自分のすまいに帰るための道具に過ぎない。結局、リストの中の「泣くぐらい腹を抱えて笑う」「最高の美女のキスする」「見知らぬ人に親切にする」というかなり重要なアイテムは、アメリカに戻ってから。結局、帰るべき所は家族、という典型的な終わり方ではあるが、それはそれで、いいのか。また、二人のうちどちらが先に死ぬのかは、ちょっとだまされた感じがするが、最後は納得。
 そんないろいろなことがあるが、最後のポイントは、「喜びを見出せ」ということ。やっぱり、コヘレトである。それも、実に「賜物」である喜びを受け取る勇気も必要だ、ということ。
 説教には使えるが、もっといい例があるのでは、とも思う。