人生の四季
説教の準備もかねて、トゥルニエの「人生の四季」から、気になるところを引用。
私がこの小冊子を著したのは、人間の生涯は絶え間ない発展の途上にあること、そして人生には誰もがかならず経なければならないさまざまな時期があって、そのそれぞれの時期にごとに神の計画が定められているのだ、というっことを分かって頂きたいと思ったからです。(33)
いくつかのポイントを。「人生は絶え間ない発展の途上である」ということ。ある意味で、人生にゴールはない。止まることはできない。いつも、どこかへ向かって進んでいる。それがどこに向かってか、わからない時もあるが、どこかに向かって進んで言っている。もう一つのポイントは、「通るべき時期があり、時期ごとに定まった神の計画がある」こと。逃げてはいけないこと、通るべきこと。そして、そこにある神の計画をどのように見ていくのか。
幼年時代、それはまさに人生の春といえます。それはやわらかな芽がふき出て、光に向かって開きはじめる時期であり、また、巨大で恐怖を呼び起こすこの世へと足を踏み出す時期です。(36)
人生の春。芽がふくという表現から想像できるのは、希望。しかし、そこには恐怖があることを並行して語っている。不安と希望の満ちあふれる世界、それがわたしたちが人生を過ごすであろう世界。不安ばかりでもない(いまは、不安だらけに思えるが)。希望ばかりでもない(自分の思ったようにならないことばかり)。そんな所に生きている。
成長要因の第二位を占めているのが「苦悩」です。苦悩もまた成長に役立ちうるのです。現在、成長のある段階にとどまっているように見える人々で、もうあと、苦悩さえ体験すればさらに先に進むことができるだろうと思われるような人々を、私たちのうちに何人かはたぶん知っていることでしょう。・・・しかしまた、私たち医師は、苦悩が人間の成長発展をどれほどひどくさまたげるか、ということもよく知っています。苦悩はしばしば人間を神に近づけもしますが、克服しがたい孤独と感じられることもあります。(71-72)
苦悩は二面性がある。発展に役立つ時、発展をひどく妨げる時。神に近づける時、孤独へと落とし入れる時。しかし、人生も、聖書の苦悩に満ちている。神もイエスを通して、人と苦悩を共に背負われる。