日本人はなぜキリスト教を避けるのか

日本人はなぜキリスト教を避けるのか?

日本人はなぜキリスト教を避けるのか?

 ひとつ二頁で、日本の習俗、仏教についての記述とともに、キリスト教的な視点を提供している本。
 豆知識程度にはいいのではないか、と思う。ただ、ある特定の問題について、深く考えるような本ではない。十分な突っ込みがない。あと、大和先生の本もそうなのだが、福音派の牧師が書いた本は、他宗教の理解は(たぶん)それなりに深いのだが、キリスト教理解がどうも「典型的福音派」である。聖書はもう少し深く、幅の広い観点を提供しているのだと思うのだが、「神・罪・救い・信仰」的なものに終わっている気がする。N.T.Wrightなどがキリスト教信仰についてもう少し突っ込んでいるのだから、そのあたりのものと他宗教とをもっとぶつける必要があるように感じる。
 ある意味で、わたしのコヘレトと龍樹の論文は、そのあたりを狙っているといえば、狙っているのだが。