日本の葬式

日本の葬式 (ちくま学芸文庫)

日本の葬式 (ちくま学芸文庫)

 日本の葬儀習俗に関する古典的な本。いわゆる葬式仏教の話ではなく、様々な地域で実際に行われてきた葬式習俗をまとめている。本書が書かれたのは60年代頃なので、いまのような商業化され、都市化された葬式ではない、一世代前の葬式の姿を垣間見る事ができる。やっぱり、日本人の宗教意識の根源には、「自然宗教」的なものが存在するのだろう。
 とはいえ、スキムに近い読み方をしたので、あまり頭には入ってはいない。
 それにしても「死は汚れ」という発想は、単なる「祭儀的」なものに留まらず、「実際的」な面もあるのだなあと感じる。死体は腐敗し、そこから衛生状態が悪くなるからだ。四川省ミャンマーの「衛生状態の悪化」なるものは、昔の日本でも一般的であったのだ、と感じた次第。すこし聖書の読み方も変える必要があるのかも知れない。あの時代の、あの地域の、死体に関する理解は胴だったのだろうか。