スピノザ:「無神論者」は宗教を肯定できるか

 最近、スピノザの本を読んでいる。
 上野修は、大変、わかりやすい文章で、スピノザの「神学・政治論」の本質をついているよう。
 神学(聖書)と哲学の分離を主張している。「哲学の目的はもっぱら真理のみであり、これに反して信仰の目的は、これまで十分示したように、服従と敬虔以外の何ものでもない」(57)とある。信仰には信仰の文法があり、哲学には哲学の文法がある。そして、この二つは相いれない。哲学的であろうとして、聖書を否定したり、別の読みかたを導入しようとすることが間違いである、と主張している訳だ。
 なんとなく、ウィッテンゲンシュタインの哲学を見ているようなのだが。