希望格差社会

 現代日本社会の現状を、まあ、社会学的に語っている本。最近、定説になっているのかどうかはわからないが、バブル崩壊後、1990年ごろから、日本の社会が変わってきた、という話。自分もそう思っているので、同意しながら読んでいる。
 今の格差社会を問題だ、という人も多くいるが、ひょっとしたら、高度経済成長の時代こそが、不思議な時代だったのではないのだろうか。今は、社会の現実が明るみになってきたにすぎないのでは。でも、60前後のおじさん世代には、そのような理屈は通じないのだろう。
 教会も同じ。高度経済成長期の「はばたく福音派」みたいなのが標準であると思っている人たちにとって、今の時代は変。でも、あの時代が不思議な時代で、今の困難な時代こそが普通だ、と考え出したら、また別のアプローチもあるのかもしれない。