Impurity and Sin in Ancient Judaism

Impurity and Sin in Ancient Judaism

Impurity and Sin in Ancient Judaism

 旧約から新約、第二神殿期のユダヤ教における「けがれ」と「罪」の概念の関係をまとめた書。これからこの問題を取り組む人は、かならず読まねばならない名著のよう(これが博士論文なんだから・・・)。
 汚れを「祭儀的汚れ」と「道徳的汚れ」にわけ、その違い(五書にすでに明確)を注意深く見ている。旧約総論には昨年からすでに彼の論点は取り入れているが、今回、よりよくわかった。
 新約聖書になると、やはり道徳的汚れ(罪の行為によって汚れる)の比重が増し、パウロでは、ほとんど祭儀的汚れを気にしていない、など論じている。祭儀的汚れと道徳的汚れの違い、フィロやヘブル書は祭儀的汚れを道徳的汚れの比喩として用いている点など、明確にしていくと、「汚れ」とか「きよめ」とかに関するかなり大きな誤解を取り払うことができそう。