福島第一原発

 原発の建屋が爆発したニュースで、@hayanoさんが適切なtweetをしている。枝野官房長官の報告と絡まって、なにが起こっているかが分かってくる。ホウ素を入れ、海水を注入するという策を取るらしい。設計上では考えてない、炉そのものを再利用不可能とする作戦だそうだ。いわば最後の手段。これで冷却するのだろう。
 映画に出て来る、ヒーローが実現する最後の手段のようにも思える。たぶん、今できる最後の手段−−もちろん、いろいろな危険性はある−−なのだろう。そして、この背後には数多くの専門家たちと現場の人々の知恵と議論があることを信じている。
 内田樹ではないが、決して起こってはならない危機的な状況の時に、そのようないざという時に「どのようにからだを動かすか」で、その人が武道を習得したか否かがわかる。福島第一原発の現状はまさに「起こってはならない危機的な状況」であろう。そして、原発に向き合ってきた人々が彼らにとっての「武道」を本当に修得したかどうかが、まさにこの時に問われるのだろう。
 原発の是非については意見がある。しかし、それは横に置いておいて、原発で自らのもてるすべてのものをもって、「からだ」を動かそうとしている人々のために祈る。2009年1月15日にエンジンがすべてだめになった飛行機をグライダーのごとくハドソン川に着陸させた、USエアーのあの機長のような出来事が、福島の地でも起こることを祈る。