不幸な国の幸福論

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

不幸な国の幸福論 (集英社新書)

 なんか、怒濤の読書の毎日(といっても、日本語の本なので、結構、ざっと読んでる)。
 伝道者の書2:24の「よいこと」を「しあわせ」と訳すべきではないか、と考えているなかで、前から気になっていた「幸福論」に関する本を二冊ほど注文し、今日、アマゾンから到着。そんなわけで、夕食後、一冊めを読み上げる。
 加賀乙彦の本は、何冊か、読んだことがあるので、どこかで聞いた記憶があるような話もあった。まあ、自分とよく似た意見の人の本ばかり読んでも駄目だけど、彼も日本人の不幸の原因の一つが「快楽の踏み車」にあるといっている。つまり、これまで幸せに思えていたものも、なれてしまえば、しあわせに思えないということ。そんなところから、「しなやかに生きる」なんていう考え方が提案されている。「しなやか」とはいわず、彼はフランス語から「スープル(souple)といっていた。若竹のもつしなやかさらしい。そして、彼の主張をいろいろと読んでいたら、「結局、伝道者の書じゃない」と思ったりもする。
 直接関係ないのかもしれないが、最近、いのちのことば社から伝道者の書の本が二冊続けて出ている。書いた人たちも、編集の人たちも、伝道者の書が実は現代に語りかけることに気がついていると思う。少し前は、伝道者の書の本を書くなら、「コヘレトによる福音」みたいな題名にしたいな、と思っていた。けれども、「しあわせについて」みたいな題名の方が良さそうな気がする。