説教の喜び

説教の喜び―クリスティアン・メラー講演集 (説教塾ブックレット (5))

説教の喜び―クリスティアン・メラー講演集 (説教塾ブックレット (5))

 六月のセミナーのテキストとして選んだものを読む。なかなか、本を読む時間がとれないので、久しぶり。
 説教の準備の方法論が書かれている、と聞いていたので、どのようなものか、考えながら読んだ。なるほど、牧師の一週間である。
 

  • 日曜日 その週に与えられたみことばを読んでおく。
  • 月曜日 ルター訳によって書き写し、それを眺める。
  • 火曜日 テキストを他の人の見る目を学ぶ。
  • 水曜日 原典で読むことによって、もう一度みことばを異質なものとする。
  • 木曜日 みことばを聖書全体の中で読み、教義学的な営みをする。
  • 金曜日 わたしと共にテキストが何を語るのか、を考える。
  • 土曜日 説教の原稿を書き、覚える。

 
 何となくわかる。自分自身、最近、聖書講解を中心とした説教から、この教会のこの人たちに何を語るべきかを考える説教へと移ってきているので、共感できるし、ある意味で、自分のしていることに近いのだろう。
 あえて、ひとつ、引用しておく。

 むしろ、キリスト者の信仰が、この私たちが生きている世界において持つ異質性が、その異質さを尽くして現れてくる[20頁)。

そうなんだ。これが聖書釈義の授業で言いたいことなんだ、と思った。テキストが、説教が、あまりにもこの世界に「同質化」してしまっている。だから、力がないのだ。