オオカミ少女はいなかった
- 作者: 鈴木光太郎
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: 単行本
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心理学において、「神話」として語られていることを、それぞれのソースをたどり、その誤解をただした書。
読んでいたら、神学校時代に文化人類学の教授から聞いた話がたくさん書かれている(あいつは、結構、はったりを言っていたのだ)。オオカミ少女、サブリミナル効果、日本人は青と緑の区別がつかない(青と緑のことばの違いが曖昧だから)など、どれだけおかしいか、それぞれの大元に戻って、点検、批判をしている。
心理学には神話が多い。多すぎる。いや、宗教にも神話が多いのではないだろうか。聖書の理解についても、孫引きみたいな根も葉もない理解が多くあると思う。
論理的にものを考える。原典にあたる。噂に頼らない。疑う。心理学も胡散臭いが、宗教も胡散臭い。そのあたりを解消するのは、こんな方法しかないのだろう。ただ、民衆の宗教の強さが薄れ、インテリの宗教になる可能性も強いのだが。