欲

 最近、Speaking of Faithというポッドキャストを聞いている。

その中で、仏教徒であるインド人ジャーナリストが話していたことを聞きながら、現代社会がどれだけ「欲」によって動かされているか、ということを考えさせられた。
 仏陀の観点から言うならば、欲こそが実はあらゆる苦しみの原因である。しかし、現代資本主義は、人々が欲望を持ち、それをある一定の決まりに守られながらその欲望を満たしていくことによって成立している。広告などは、典型的な「欲望の刺激マシーン」である。欲望が刺激され、その欲望を満たす方向に人々が行動してはじめて、経済は拡大する。
 考えてみると、仏教国と呼ばれている国も、今や欲望によって動かされている。十戒においても「人のものをほしがるな」と言われている。それを含む聖書を正典とするキリスト教国の多くが、欲望の奴隷となっている。
 そして、結果として、世界は苦悩に満ちている。
 「わたしは足ることを知った」といパウロの一言が重い。それとともに、経済政策をどうするのだ、とことも大切だろうが、本当に経済政策がよくなれば、幸せになるのだろうか。結局は、人の欲望によって世界が動き、仏陀曰くの、苦だけが世界中に増えていくのかもしれない。
 人間は、やっぱり、矛盾だらけの存在である。
 ちなみに、昨日のiPodの件も、ほしいと思っているiPhoneの件も、根っこは同じ「欲望」なのか。