神と科学は共存できるか?

神と科学は共存できるか?

神と科学は共存できるか?

 NOMA原理(Non-Overlapping Magisteria)が科学と宗教の間にある、と主張する本。ちなみにNOMA原理とは、

科学は自然界の事実の特徴を記録し、それらの事実を整合的に説明する理論を発展させようと努力している。一方、宗教はといえば、人間的な目的、意味、価値−科学という事実の分野では、光を投げかけることはできるかもしれないが、決して解決することのできない問題−という、同等に重要であり、しかしまったく別の領域で機能している。(11−12)。

という理解に立ち、宗教と科学の間の、「密度の行為対話を伴う非干渉」をさす。
 もちろん、宗教と科学の間には、密接な関係があるとは認めているが、しかし、最終的には、非干渉であることを訴えている。しかし、そうなのだろうか。科学によって叙述される世界から、道徳的な示唆が与えられないのだろうか。示唆程度なら、彼はよいと思っているのだろうか。また、宗教が提示する世界観の問題が、科学の取り組みに影響を与えはしないのか。
 わかりやすい問題では、NOMA原理は理解できるが、問題が複雑になればなるほど、難しくなるような気がするのだが。