国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

 国策逮捕についての彼の見解が面白い。小泉政治になってからの日本の変化を鈴木宗男の逮捕と結びつけている。

現在の日本では、内政におけるケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線への転換、外交における地政学的国際協調主義から排外的ナショナリズムへの転換という二つの線で「時代のけじめ」をつける必要があり、その線が交錯するところに鈴木宗男氏がいるので、どうも国策捜査の対象になったのではないかという構図が見えてきた。(292-293)

2000年に帰国して以来、いろいろ考えさせられ、いろいろへんだなあ、と思ってきたことを彼は明快にまとめているような気がする。そして、構造改革という名前で、この事が現実になっている。
 とはいえ、傾斜配分路線への転換に伴う弊害に対応するために、国策捜査としてホリエモン村上ファンドに手が入った訳で。更に、公平配分を徹底的に壊すためにいわゆる談合の徹底的な検挙。日本の今まで進んできた方向が小泉政治から大きく変わりつつある。これからどうなっていくのだろうか。この国は。