旧約聖書

旧約聖書―歴史・文学・宗教

旧約聖書―歴史・文学・宗教

 ドイツの学者の旧約入門書。とはいえ、「正典である旧約聖書そのもの」の入門ではなく、旧約聖書がどのようなかたちで形成されていったかについての入門書である。さらに、レヴィンの立場は、翻訳者が言っているように「旧約聖書のテキストは、雪だるま式に小さな部分から増え広がっていった」である(41ページ参照)。文学としてのそれなりの統一性をもう少し認めるべきではないか、と思う。また、旧約聖書の入門書として、もちいるのは無理ではないか、とも感じる。