聖書の解釈と正典
- 作者: 辻学,関西学院大学キリスト教と文化研究センター
- 出版社/メーカー: キリスト新聞社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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聖書解釈の諸問題について、また正典の意義について、すこしだけだけど考えてきている者にとっては、物足りない気がする。内的読者と内的著者の理解についても、十分に突っ込まれていないし、すこし曖昧である。また、「解釈」と現代への「適用」についても、区別が曖昧である。また、文芸的解釈も述べられているが、どこまでが「テキスト中心」の解釈であるのか、どこからが「読者中心」の解釈であるのか、厳密な定義がなされていないように感じる。文芸的解釈ではあるが、実際の方法論は、reader responseである(もちろん、厳密に言うならば、reader responseでない聖書のテキストの解釈はない)。
このあたりの内容について、この本の発想と関わらせながら、日本語で書く必要があるのかもしれない。信条の枠組みの問題があるのだろう。しかし、聖書の解釈と正典の問題は、大切である。