容疑者χの献身
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/08/05
- メディア: 文庫
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「本格か、そうでないか」という議論がわき起こっただけあって、なるほど、と思う。ある意味で、叙述のトリックといえなくもない。最後まで、だまされてしまった。
それとともに、最後が悲しい。そして、「どのような事情があれ、殺人は間違っている」という湯川学の哲学が現れているのではないだろうか。人は、罪悪感を隠したままでは、生きてはいけない。そして、どのような献身さえも、殺人を犯した罪悪感から、その人を解放することはできない。どこかでひずみが出てくる。
それから、タイトルの意味は、いろいろと考えられる。しかし、容疑者「エックス」ではなく、容疑者「キー」ではないか、と思うのだが。だから、今日のタイトルは「容疑者『キー』の献身」である。