PLUTO

PLUTO 6 (ビッグコミックス)

PLUTO 6 (ビッグコミックス)

 話はかなり佳境に進む。連載の方では、アトムの復活まで進んでいるが、第六巻では、ゲジヒトの死まで。
 ロボットの中にまで巣くってしまう憎悪とその連鎖。これが、この話の現代的な意義だろうか。まあ、9・11を背景に、アメリカとイラクの争いがメタファーとして用いられている点からあきらか。ただ、今になって読み返す時、全く独立して書かれているノース二号の話こそが、PLUTOの物語の縮図ではないか、と思われる。憎悪というテーマ、そして花畑の管理、それが枯れてしまうことなど、かなり考え抜かれて書かれたように思われる。そういえば、連載においても、国立公園の植物が突然に枯れ始めたことがさらっと、書かれていた。このあたりが、おちに結び付いているのだろう。阿蘇山の噴火ではなく、環境危機がPLUTOとアトムの協力関係を生み出すのかも知れない。