PLUTO
- 作者: 浦沢直樹,手塚治虫,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/30
- メディア: コミック
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ロボットの中にまで巣くってしまう憎悪とその連鎖。これが、この話の現代的な意義だろうか。まあ、9・11を背景に、アメリカとイラクの争いがメタファーとして用いられている点からあきらか。ただ、今になって読み返す時、全く独立して書かれているノース二号の話こそが、PLUTOの物語の縮図ではないか、と思われる。憎悪というテーマ、そして花畑の管理、それが枯れてしまうことなど、かなり考え抜かれて書かれたように思われる。そういえば、連載においても、国立公園の植物が突然に枯れ始めたことがさらっと、書かれていた。このあたりが、おちに結び付いているのだろう。阿蘇山の噴火ではなく、環境危機がPLUTOとアトムの協力関係を生み出すのかも知れない。