Mother Teresa

 この本のことを、女子パウロ会の出版社に問い合わせてみた。版権の問題があるので、それがとれてから、ということ。できる限り早く翻訳されればいいと思うのだ。
 さて、1956年2月になって、マザー・テレサははじめて自分の経験を細かく大司教Perierに告げている。そこで、彼女は自分の状況を次のように表現している。

The more I want Him -- the less I am wanted. -- I want to love Him as He has not been loved -- and yet there is that separation -- that terrible emptiness, that feeling of absence of God (164).

神を求めても、求められていないと感じる。恐ろしいほどのむなしさ、そして神がおられないという感覚。彼女は、働きが進む中で、そのように感じ続けている。
 さらに、次のようにも書いている。

Pray for me, pray that I may have the courage to keep on smiling at Jesus -- I understand a little the tortures of hell -- without God (172).

彼女は「地獄の刑罰」を少し理解できるようになったと言っている。「地獄の刑罰」とは「神のいない状況」である。貧民に仕える彼女は、神を感じることができなかった。このような状況で、彼女はむしろ、思い皮膚病人の拒絶され、必要とされず、愛されていないという経験に対して、極度に同情的になってきたと解説者は理解している(175)。
 1959年4月には次のように言っている。

Pray for me that I may forget myself completely in that absolute surrender to God's Holy Will.... I leave this to Him as I leave everything else.... The darkness -- the loneliness & pain -- the loss & the emptiness -- of faith -- love -- trust -- these are all I have and in all simplicity I offer them to God for your intention as a token of gratitude (186).

彼女は、神にすべてを完全に委ねている。暗やみ、孤独、痛み、喪失、むなしさ、それも信仰と愛と信頼が全くない状況、そんな彼女の状況すべてを、神に委ねている。そんな彼女が、暗やみの中にいる。