なんの本を書くべきだろうか

 今日、キリスト教書店に行き、いろいろな本を見ながら考えてみた。
 旧約聖書の概論の本を書くならば、アウトラインを載せて、簡単な注解書みたいなものを書いても仕方がない。そのような本はいろいろとある。
 それでは、どのような特徴が必要なのだろうか。
 まず、文脈を大切にすること。歴史的、地理的、社会的な文脈をしっかりと浮き彫りにする。しかし、単に文脈を文脈だけで記しても意味がない。絶えず文脈と共に各書を解釈する。
 次に、ある書が伝えようとしている目的を考え、各部分がその目的に対して、どのように寄与しているかを述べること。創世記の大きな目的に対して、ヤコブ物語はどのような寄与をしているのか。内容を単に述べるのではなく、修辞学的な位置づけを伝えることが大切。
 最後に、古代の文脈と現代の文脈の関わりを述べる。その部分も大切だろう。
 総じて、文脈を大切にし、文脈を明らかにし、文脈を重んじた本ならば、まだ書いて、出版する意義はあるのかもしれない。