悪魔のささやき (集英社新書)

悪魔のささやき (集英社新書)

悪魔のささやき (集英社新書)

 夕方買って、夜までに読み上げてしまった。カトリックのクリスチャンの作家がかいた物。今まで呼んで来たいくつかの本と同様に、日本人の問題を語った本。やっぱり、昨年の小泉自民党衆議院選大勝という状況を受けて、日本人の危険性を語っているようである。集団心理や殺人において、「意志的に」行ったのではなく、「なんとなく」行ってしまった現実。そのようなことについて、語ったもの。
 ただ、背景にあるのは、福音書の豚に悪霊が入りこんで、ガリラヤ湖に突っ込んでいった記事と悪魔によるイエスの誘惑の記事。ある意味で、現代日本に対する聖書からの批評と理解することも可能。もちろん、理屈などは十分に考えられてはいないようで、突っ込み所はあるが、人間のもつ弱さ、そしてそこにつけ込まれる可能性、そして落ちてしまった時に起こる悲劇。これらについて考えさせられる。