少年裁判官ノオト

少年裁判官ノオト

少年裁判官ノオト

 日本語の本は読むのが早い。いわゆる少年Aの家庭裁判所での取り扱いを担当した少年担当の裁判官の本。少年Aの問題についても、彼の視点から結構書いていた。興味深かったのは、脳における性中枢は思春期に暴力中枢から本来は分離するのであるが、少年Aはその分離が行われていなかった点。「人を殺す事によって性的興奮を覚えた」という表現だけが独り歩きしていたのだが、この表現が生みだすイメージと彼の持つ問題とのずれを認識した。彼は発達障害だったのだ。それが反社会的な方向に向いていった訳である。