奈良での事件

 奈良から神戸に転宅してから、奈良では子どもにかかわる事件が多く起こっている。女児誘拐殺人事件、そして今回の放火殺人事件。高校一年の男の子の行動はハッキリ言って間違っている。しかし、彼の行動に対して、同情の余地がたくさんある。どれだけプレッシャーを感じていたのか、考えるとかわいそうに思えてくる。
 「競争社会」で「競争」して生きる限り、彼の受けたプレッシャーはなくならない。超進学校の真ん中にいても、「だめだ」と思えてくるのだ。競争しているそのちっさな社会が自分の生きるべきすべてのように思えてくるからだろう。そこから出てみて、外を見た時、競争社会の感覚から言うならば、「おれもまだまだやれるな」と思えるはずなのに。
 でも、一番大事なのは、「競争して生きる」という点をやめる、ということ。人との比較には生きない、と選び取ること。ある意味厳しくなる。自分のベストを尽くす、という難しい生き方をいつも求められるから。でも、結果はどうあれ、ベストを尽くしていればいいのだから、楽といえば楽。