アースシーの風 ― ゲド戦記V

アースシーの風 ― ゲド戦記V

アースシーの風 ― ゲド戦記V

 これでゲド戦記の本編は全部読んだ。死なないことを求めるのか、死んだ後の世界を思うのか。確かに人は「死なない」ことを求め、結果としてみじめな姿をさらし、様々な問題を起こしているような気がする。魔法を「死なないことを求める人の知」と定義しなおしている点は、興味深い。そして、そのような魔法こそ、問題であると。
 むしろ、魔法に頼るのではなく、畑を耕し、自らの手によって生きること。4巻以降にゲドが過ごした生き方こそ、すべての理想である。そう考えると、なるほど、と思える。